【中小企業診断士の独学勉強法】一次試験編⑤(「企業経営理論」「運営管理」)

診断士一次試験

科目別の詳細勉強法の第3回目は、中小企業診断士試験のコア科目といわれる「企業経営理論」と「運営管理」の勉強法をご紹介します。

コア科目であれば科目別に紹介すべきでは?と思われるかもしれませんが、両科目とも1次試験の勉強としては他の科目と比べても極めてオーソドックスな方法で攻略可能ですので、あわせて紹介したいと思います。

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勉強期間

企業経営理論、運営管理ともに同じ勉強期間になります。

企業経営理論の勉強期間
  • 基本勉強:H29年2月(約1か月)
  • 復習期間①:H29年4月
  • 復習期間②:H29年7月~テストまで
運営管理の勉強期間
  • 基本勉強:H29年3月(約1か月)
  • 復習期間①:H29年4月
  • 復習期間②:H29年7月~テストまで

なお、両科目とも中小企業診断士試験の主要科目で、理解科目と暗記科目の中間位に位置する科目になります。

コア科目のため勉強範囲は広いですが、社会人経験の中で触れる単語や考え方が多く、とっつきやすい科目です。また、最初はもっと勉強期間が必要かなぁと思っていたものの、両科目とも勉強を終えたあとはあれっ?!もう終わり??と感じるくらいの勉強量だと思います。

使ったテキスト

両科目とも極めてオーソドックスです。以下の3冊以外いらないと思います。なお、中小企業診断士試験のコア科目ということもあり、スピードテキストは2次試験まで使いますので1次試験終了後、捨てたり売ったりしないでください。

<企業経営理論><運営管理>で共通
  • スピードテキスト(TAC) 通称「スピテキ」
  • スピード問題集(TAC) 通称「スピ問」
  • 過去問完全マスター(同友館)

one stepの勉強経過

勉強経過は以下のとおりです。

なお、勉強法は「企業経営理論」「運営管理」ともに内容・期間ともに全く同様です。目安として記載している勉強月は企業経営理論のものを記載し、運営管理は1月進んだものとして認識してください(【2月】と記載していた場合、運営管理は【3月】)。

ちなみに、復習期間以降は両科目とも同じタイミングで取り組んでいるので取組み月に違いはありません。

スピテキで内容をざっと確認する【2月に開始後3日目まで】

まずはスピテキで全体を確認しました。

経済学・経営政策や財務・会計と異なり、計算問題はほとんど出ないので、まずは全体理解ということで短期間で読破することを心掛けました。最初の3日間で、机に座って、電車の中で、昼休み中と時間が空いた時間にとにかくスピテキを読むようにしました。

この段階では、覚えるという考えを捨て、とにかく前に進むということを心掛けると良いと思います。

科目ごとには、以下の点を意識すると効率的に読むことができると思います(言い方を変えただけで両科目とも似たようなことを書いてますが)。

企業経営理論のスピテキざっと読みのコツ!

  • 組織論のうち、モチベーション理論とリーダーシップ論の箇所は様々な理論が出てきて、とてもではないが一回で覚えられる感じではないため、ふーんという感じでさらっと流し読みをします。
  • 人的資源管理のうち労働関連法規は一回読んでも覚えることも理解することもできないため、飛ばす(読まない)。とはこの部分は捨てるのではなくこの後の問題演習で対応します。

運営管理のスピテキざっと読みのコツ!

  • 製造業で生産管理が身近な方以外は、初めて聞く単語ばかりなので訳がわからないと思います。企業経営理論と異なり「知らんがな」ということばかりなので、企業経営理論以上にとにかくテキストを前に進めることを意識します(理解しなくてよい)。
  • アローダイアグラム、GMROI、交差比率といった手を動かさないと理解できない論点については、「ふーん」という程度で流し読みします(後で嫌というほどoutput練習するので)。

スピ問で知識の定着化を図る【~2月2週目週末】

スピテキでざっと中身を確認したら、スピ問で問題演習を行い知識の定着を図っていきます。約2週間弱で2周しました。

2週間弱で2周するのは厳しいのでは?と思われるかもしれませんが、この2科目については可能です。経済学や財務・会計とは異なり文章の正誤を判断していく問題が大半ですのでさくさく進みました。

スピ問に掲載されている問題は、どれも基礎的かつ絶対に知っていなければならない内容なので、わからない場合は、随時スピテキで確認することや企業経営理論の各種フレームワーク、運営管理の保全活動などは問題を解きながらノートに書いて覚えていった方がよいです(まとめノートを作れという意味ではないです)。

過去問で本番での問題の言い回しを学ぶ【~2月末】

スピ問で知識の定着を図ったら、過去問完全マスター(同友館)に移ります。

この期間に企業経営理論は1周、運営管理は2周しました。

びっくりするのが本の厚さです(特に企業経営理論)。約800ページあります。ブロックみたいです。当初の予定ではこの期間中に過去問を2周するつもりでしたが、企業経営理論は1周しかできませんでした。運営管理は企業経営理論ほどではないので2周しました。

復習する【4月中】

ここからは復習です。

4月の復習期間は、運営管理は直前に勉強しているので、企業経営理論のみ基本論点を思い出すためにスピ問を1周解きました。

その後は過去問完全マスター(同友館)で復習を行いました。

復習期間中は、両科目の他に、経済学・経営政策、財務・会計も並行して勉強していましたので、2周が限界でした。

企業経営理論は、暗記する部分も多く含まれますので、忘れた個所を随時スピテキで確認しながら進めました。なお、4月の復習期間中は通勤時や手が空いた時間で、企業経営理論、運営管理、経済学・経営政策のスピテキを繰り返し読んでいました。

総仕上げ【H29年7月~テストまで】

両科目ともスピ問1周、過去問完全マスターを1周しました。ところどころ忘れているので、わからない部分はスピテキで確認していました。

4月の復習時点でほぼほぼ仕上がっていると思いますので、両科目の勉強の優先度は低かったです。

試験結果

企業経営理論「62点」、運営管理「58点」。

うーん。

非常に微妙な点数ですが、両科目とも高得点を狙うのが難しいのでこんなものだと思います。この点数に収束してしまうone stepなりに考えた理由は以下の勉強のコツで紹介したいと思います。

企業経営理論、運営管理の勉強のコツ

勉強の進め方は、上記で私が書いたとおり、スピテキ⇒スピ問⇒過去問を粛々と実施する方法で問題ないですが、以下の点に特に気をつけて勉強すると良いと思います。

企業経営理論、運営管理の勉強のコツ
  • 中小企業診断士試験のコア科目だからといって時間をかけすぎない
  • 法令関係の勉強はスピ問、過去問のカバーで十分
  • 関連書籍には手を出さない

中小企業診断士試験のコア科目だからといって時間をかけすぎない

これはコチラの記事でも紹介しましたが、本当に大事なのでもう一度書きます(少しだけ言い回しを変えています)。

企業経営理論や運営管理は、2次試験に直結する科目であることや日ごろの業務とイメージが直結しやすいこと、この科目を勉強するために中小企業診断士試験を受ける人が多いこと等の理由があるため、他の科目に比べて勉強時間を多くとりがちです。特に財務・会計等の数字系科目に苦手意識をお持ちの方はその傾向があるのではないでしょうか。

残念ながら、両科目ともいくら勉強しても8割、9割の点数を取ることは厳しいので勉強時間に対する費用対効果は悪いです。この科目で8割、9割を取るように努力する時間があるなら財務・会計に勉強時間を充てたほうがよいです。

しかし、6割程度の点数を確保することは比較的簡単だと思います(私もこの点数に収束していますが)。

というのも、基礎的な論点が幅広く出るため、過去問を解いていれば2択くらいには絞り込めるからです。しかし、一方で、そこからの正誤判断が難しい(というか微妙な)表現がてんこ盛りのため、確実に正解した!と確信できる問題が少ないのです。この結果、折角回答を絞ったのにはずした…ということが多く発生してしまいます。

問題数も多く、答え合わせをしているといつの間にか間違った問題が積み重なって6割程度の点数に収束していく、両科目にはそんなイメージを持っています。

従って、この2科目は勉強したい気持ちをぐっとこらえほどほどの勉強に留めておきましょう

法令関係の勉強はスピ問、過去問のカバーで十分

企業経営理論には労働関係法規、運営管理にはまちづくり3法等の法令関係の問題が出題されます。ここをどこまで勉強するかというのは受験生によって非常に悩ましいところです。

結論を書きます。

法令関係の勉強は、スピ問・過去問の範囲だけにしておきましょう

注意しなければならないのはな、全く勉強しなくてよい(=飛ばす)ということではないということです。法令関係の問題に確実に正解するためには、すべての条文に目を通してかつそれを事例として応用できるレベルにないと正解できません。しかし、問われるポイントはある程度傾向があり、それは頻出論点を抽出しているスピ問や過去10年の出題を網羅している過去問完全マスターでカバーできます。

従って、法令関係を完璧にするのは、費用対効果が悪いというか時間の無駄なので、スピ問・過去問の勉強に留め、頻出論点を抑えることで得点できたら儲けものの精神で取組みましょう。

関連書籍には手を出さない

企業経営理論は中小企業診断士試験のコア科目というだけあり、各種勉強サイトで関連書籍を薦めている場合があります。

しかし、試験に受かるという点において、スピテキ、スピ問、過去問以外に手を出すのは時間の無駄です。ただでさえ勉強時間を確保しにくい社会人受験生が時間を無駄にしてはいけません。関連書籍を読むひまがあるなら過去問を1問でも多く解きましょう。ちなみにこれは2次試験も同じです。

なお、関連書籍の内容が悪いということではありません。私も受験勉強が終わってから中小企業診断士の関連書籍の中で一番有名だと思われる↓の本を読みましたが非常に勉強になりました。あくまで受験勉強後、診断士活動を始める際に読むためにぐっと我慢しておきましょう。

まとめ

企業経営理論・運営管理とも、非常にボリュームのある科目ですが、診断士1次試験の取組み方の基本中の基本であるスピ問を使い、毎年出題される論点を確実に抑え、あとは過去問をひたすら回す戦略が良いです。

1次試験の他の科目と異なり、突然出題傾向が変化したり、その年だけ急に難化したりということが少ない科目なので、紹介した勉強のコツを抑えつつ私と同じような勉強をすれば合格ラインは見えてくると思います。

今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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