【証券アナリスト独学】短期、省力で1次に受かる3科目共通の勉強法と学習スケジュール例

証券アナリスト

今回は2次試験までを見据えた1次試験のおススメの科目勉強順、3科目に共通する勉強法、合格までのスケジュールイメージを書きたいと思います。

紹介する勉強法は、2~3日の超短期で受かる奇をてらった方法でなく、各科目とも8~9割の点数を取って確実に合格する極めて正攻法の勉強法・学習スケジュールでなので、これから受験する皆様は是非参考していただければと思います。

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1次試験を効率的に受かるために科目勉強順

どの科目から勉強する…ということを紹介する前に、まずは証券アナリスト1次試験はどのように行われるのか、受験科目の特徴はどうなのかといった前提条件を整理したいと思います。そのあとに私なりにこれがベスト!と考える1次試験3科目の勉強する順番について紹介します。

1次試験の受験科目

メインとなる科目は証券分析とポートフォリオ・マネジメント

1次試験は、以下の3科目からなります。

  • 証券分析とポートフォリオ・マネジメント(試験時間:180分)
  • 財務分析(試験時間:90分)
  • 経済(試験時間:90分)

証券アナリストという資格名称、試験時間が180分(3時間!)ということからもわかるとおり、メイン科目は証券分析とポートフォリオ・マネジメントになります。この専門知識を持っているということを保証するために証券アナリスト資格があるといっても過言ではないでしょう。

科目別の合格率からみる各科目の難易度

では、証券分析とポートフォリオマネジメントが他の科目に比べて特に難しいのか?というとそんなことはありません。下記は直近2年間の1次試験の科目別合格率ですが、どの科目も50%前後となっています。3科目を受ける受験生はほぼ同じ人であると仮定すると科目間の難易度に差はほぼないと考えて差支えないでしょう。

 

 201820194回平均
証券分析53.2%51.1%47.7%54.8%51.7%
財務分析49.2%49.2%47.1%51.7%49.3%
経済52.0%53.7%47.2%51.2%51.0%

 

勉強した感じでも証券分析とポートフォリオマネジメントだけ「問題が捻ってある」とか「分かりにくい選択肢が混じっている」といったことはありませんでした。

受験する機会は春と秋の年2回

証券アナリストの1次試験は春と秋にあり、年に2回受けることができます。また、1次試験3科目は一度に全科目に受かる必要はないため、春と秋に科目を分散して受けることが可能です。

ちなみに1次通信講座を申し込んでから3年以内に3科目に合格すればよいことになっています。つまり、各科目最大で6回(春・秋・春・秋・春・秋)のチャレンジすることができます。もちろん、各回で受験料の支払いは必要になってくるので一回で受かってしまうのがお財布に優しいです。

2次試験の内容

1次試験の勉強順を決めるうえでは2次試験の内容を把握しておくことも重要なので解説します。

2次試験は、科目別の合格制は取っておらず、以下の複数の分野をあわせて1科目として受験することになります。また、受験時期も1次試験と異なり、年1回6月に開催されます(ちなみに2次試験も3年以内で合格すればOKです)。

  • 証券分析とポートフォリオ・マネジメント(配点210点)…一次「証券分析」に該当
  • コーポレート・ファイナンスと企業分析(配点:90点)…一次「財務分析」に該当
  • 市場と経済の分析(配点:60点)…一次「経済」に該当
  • 職業倫理・行為基準(配点:60点)

全420点のうち半分が証券分析とポートフォリオマネジメントの分野からの出題であることから、二次試験勉強を開始するまでに一次試験の証券分析の知識を忘れないようにしておくと効率的に勉強ができます

なお、試験時間は全体で7時間!!(午前3.5時間、午後3.5時間)で、午前と午後の間の昼休みを除くと途中に休憩は挟まないという忍耐力が試される試験です。

3科目の勉強する順番

上記を踏まえて勉強する順番を考えてみます。

証券アナリストは試験の性質上、1次試験の3科目を春(4月)に受験し全科目受かったとしても2次試験を受けられるのはそれから1年2か月後の翌年6月になってしまいます。そうすると折角1次試験の勉強で勉強癖がついたとしても元の勉強しない日々に戻ってしまう可能性があります。結果、そのままドロップアウト…となりかねません。

そのため、1次試験を春と秋に分割して受けることをおススメします。

では、春と秋にどの科目を受ければよいのかということですが、翌年度の2次試験を見据え、2次試験で配点が高い証券分析とポートフォリオマネジメントを秋試験で受け、配点が低い財務分析と経済を春試験で受けるとよいと思います。

こうすることで2次試験の勉強をする際に証券分析の知識が頭に残りやすくなり、効率よく勉強できます。また、勉強するボリュームも証券分析が他の2科目に比べ多いため、秋試験はボリュームのある1科目だけに集中できるメリットもあります。

残る財務分析と経済のどちらを先に勉強を始めるとよいかという点ですが、以下の考え方で決めるのが良いと思います。

こんな人は経済を先に勉強したほうが良い

  • 大学や他の資格勉強で経済学をある程度学んだことがある方
  • (経済学の初学者で)コツコツと諦めず勉強できる方
  • 嫌いなものは初めに食べてしまうタイプの方

こんな人は財務分析を先に勉強したほうがよい

  • 簿記の勉強をしたことがある人、会社で会計を仕事にしている人
  • 資格試験を受けるのが初めての方
  • 飽きっぽい性格の方

よくわからない性格診断が混ぜてしまい恐縮ですが、両科目の特徴をざっくりいうと、経済は学術的な理論科目、財務分析は実務に近い科目といった違いがあります。経済初学者の場合は、これって実社会の何の役に立つのさ??といった面白くない部分が結構含まれるので、財務分析の勉強から入ったほうが無難だと思います。

勉強順

〇春試験では経済と財務分析を受験し、秋試験は証券分析に集中すべし
○経済と財務分析は、経済の勉強経験者以外は財務分析から勉強を開始すべし

最短、省力で受かる勉強法(3科目共通)

ここからは具体的な勉強法に入っていきたいと思います。今回紹介するのは3科目共通の勉強法です。科目別の勉強法は次回の記事で書きたいと思います。

基本これ!

  • 過去問を完璧にする
  • 机に座って手を動かして勉強する
  • 1科目を勉強すると決めたら集中的にやる

過去問を完璧にする

勉強法も何もあったものではないですが、証券アナリスト1次試験は過去問をやれば受かる試験です。試験問題は過去問の数字を変えた焼き直し…とまではいきませんが近いものがあります。従って、テキストばかり読み込んで学問として理解するよりも過去問の解き方を体に染み込ませて、試験当日は問題を見た瞬間に体が反応するという状態に持っていくことが重要です。

机に座って手を動かして勉強する

証券アナリスト試験のどの科目にも共通することが計算問題が多いということです。他の資格試験は、電車の中での勉強や音声等によるスキマ時間を活用した勉強法が有効になることが多いですが、この試験では、電卓片手に問題集を解いて答えを出すというプロセスが大事になるので机に座ってノートに書き手を動かして勉強することが重要です。

となると、机に座って勉強するためにはまとまった時間(最低20~30分程度)の確保が重要になりますが、サラリーマンの方は朝出勤前の時間や昼休みの時間をうまく活用するようにしましょう。

1科目を勉強すると決めたら集中的にやる

さきほど私が紹介した勉強順を実践した場合、秋試験は証券分析1科目だけの受験になるのでよいと思いますが、春試験は2科目になるので「1日2科目1時間ずつ勉強しよう!」というように並行して勉強しようと考えがちです。

しかし、2科目同時並行での勉強は、知識が分散する&「経済⇔財務分析」の科目間シナジーがそれほどないので非効率になると思います。1科目を集中的に勉強し完璧な状態に仕上げれば早々簡単には忘れませんので、まずは1科目仕上げることに集中しましょう。

これはやっちゃダメ!

  • 協会からのテキストを使った勉強は絶対にしない!
  • スクーリングの誘いには絶対乗るな!
  • まとめノート作成は時間の無駄

協会からのテキストは使っての勉強は絶対にしない!

試験を受ける人が必ず通る1次試験の通信講座ですが、申込むと協会からダンボール1箱分のテキストが送られてきます。テキストを読む…のではなく、送られてきた当日にそっと倉庫にしまいましょう(捨ててもいいですがこれが5万円か…と思うと私は捨てられませんでした)。

間違ってもこのテキストで勉強してはいけません。

先ほど書いたとおりこの試験突破のカギは如何に過去問と向き合うかです。テキストを読めばすべてを理解する天才を除いては、問題演習のない協会テキストだけで受かることは極めて難しいと思います。

スクーリング講座の誘いには絶対に乗るな!

証券アナリスト協会の通信講座に申し込み、メールアドレスを登録すると、定期的に「スクーリングのご案内」という名の協会主催の試験対策セミナーの案内メールが届きます。勉強が滞ると一見魅力的に映るのですが、試験に受かるという点においてセミナーに通って勉強する必要はありません。というか時間の無駄です。

このセミナーはもちろんタダではなくて、1セミナー2万円程度と高額です(しかもなぜか首都圏在住者は首都圏外の方よりも倍の値段…)。ただでさえ1次試験を受けるための準備だけで5万円も貢いでいるのにさらなる出費は厳しいので、ぐっとこらえて過去問勉強に集中しましょう。

まとめノート作成は時間の無駄!

最後に、勉強しているとまとめノートを作りたくなる衝動に駆られることがありますが、ノートを作るのは絶対にやめましょう。

科目毎に試験範囲が膨大であるとか、科目数が非常に多い試験の場合は忘れないようにするために作成が有効なこともありますが、この試験は同じような論点を繰り返し聞いてくる&1科目毎の分量が大したことがないので過去問演習だけで十分です。

1次試験に効率的に受かるためのモデルスケジュール

次に、1次試験突破までのモデルスケジュールを考えてみます。まずは私のスケジュールを紹介した後でいくつかのパターンに分けてモデルスケジュールを紹介したいと思います。

1次試験全体の勉強スケジュールイメージ(私の場合)

私は、1月の1次通信講座の申込みから4月の試験までの間に中小企業診断士の実務補習という全く勉強できない期間がありましたのでやや特殊な状況ですが、以下のとおりのスケジュールで行いました。

それぞれの一日あたりの勉強時間を記載していますが、日によって飲み会があって勉強できなかったり、集中して4時間とか勉強したりした日もあるので、期間で均した場合の勉強時間として捉えていただければと思います。

科目別の勉強時間と科目別の勉強ボリュームの相対比較

上記スケジュールにおける科目別の勉強時間は以下のとおりです(復習期間含む)。正確な勉強時間は計測していないのでだいたいの幅で記載しています。

  • 証券分析 … 60~80h前後
  • 財務分析 … 30h前後
  • 経済 … 30~50h

総勉強時間は多めに見積もって130時間程度でした。

科目別には、証券分析と他の2科目は試験時間も倍違いますが勉強時間も倍違いました。ちなみに、各科目とも試験本番までに過去3年分の過去問は完璧に解けている状態になっており、試験本番でも数問わからない程度でしたので、科目間の理解度に差はない状態です。

経済、財務分析を勉強したことのない方はもう少し勉強時間の確保が必要

私の場合は、直前に中小企業診断士試験を受験していましたので、経済と財務分析に関する知識はある程度持っている状態でした。では経済、財務分析初学者の場合どうなのか考えてみると、財務分析は初学者でいきなり過去問を解いてもネット等で調べながら何とか対応できると思いますが、経済はきついと思います(このあたりは次回の科目別勉強法で詳しく書きます)。なお、証券分析についてはこの資格特有の専門科目なので、過去の保有資格のアドバンテージはほぼなく、どなたであっても先ほど紹介した勉強時間が必要になると思います。

以上のことから、経済と財務分析初学者の場合の勉強時間イメージは以下の感じになると思います。

  • 証券分析 … 60~80h前後
  • 財務分析 … 30h前後+10h~20h程度(ネット等で調べる時間)
  • 経済 … 30~50h+30~50時間(他の参考書で勉強する時間)

初学者の方が1次試験に受かるための総勉強時間は多く見積もって200時間程度です。どなたでもこの勉強時間を確保できればまず落ちることはないと考えてOKだと思います。

モデルスケジュール

上記の勉強時間を確保することを前提に一般的な受験までのスケジュールイメージをまとめてみます。何パターンか書きましたのでご自分の場合に当てはめて適宜ご参考にしてもらえればと思います。

経済・財務分析学習者(春2科目、秋1科目受験)のスケジュール

経済と財務分析を勉強したことがある方は、2月半ばからの勉強開始で十分間に合います。

この場合の注意点は、勉強開始よりも前に通信講座の申込み期限が終わっていることです。この資格試験で一番怖いのは通信講座を申込まないと受験できないことなので、受験すると決めたら勉強開始を先送りにしてもいいのでまずは通信講座の申込みだけ済ませておくようにしましょう。

 

経済・財務分析初学者(春2科目、秋1科目受験)のスケジュール

経済と財務分析を勉強したことがない場合は、経済の基礎勉強期間が必要になることや財務分析の勉強時間が少し伸びる影響により、全体でスケジュールが1か月強前倒しになります。この場合でも正月休み明けに勉強を開始すれば4月の試験までには十分間に合うスケジュールです。

経済・財務初学者が春に3科目一気に受験

個人的には春・秋分割の受験がおススメとしていますが、中には春・秋試験のどちらかで受かってしまいたい!と考える方もいると思いますので一気に3科目受験する場合のスケジュールイメージもまとめておきます(経済・財務分析学習者は経済基礎の勉強期間をなくなると考えてご覧ください)。

この場合は、勉強期間が約半年間と少し長い戦いになります。そのため、最初に勉強した科目を証券分析が終わった時点では忘れている可能性が高いので、①証券分析の勉強を短期間で終えること、②春・秋分割受験よりも復習期間を長めにとる必要があること、がポイントになると思います。

まとめ

証券アナリスト試験は、春と秋に科目を分割して受験することで、全くの初学者でも正月明けから勉強し、1日1~2時間程度の勉強時間を確保できれば余裕をもって受かることができるということをご理解いただけたかと思います。

また、働いていると飲み会の誘いや夜中まで仕事になり勉強できない日もあると思いますが、前回記事や総勉強時間をみてもわかるとおり、この資格は難関資格でもなんでもないので、いつも通り仕事し、いつもどおり飲み会に行く普段の生活リズムを変えなくても、十分に受かることができる試験です。

恐らくこの試験を受かるまで勉強時間が長くかかってしまう人は、なんとなく難しく見える問題が多いため、ついまとめノートを作ったり、いろいろなテキストに手を出したりするからだと思います。是非、ここで紹介したような過去問を基本とした受かるために最短距離の勉強法を実践してもらえればと思います。

今回はここまでです。次回は科目別にもう少し詳しく勉強法を書きたいと思います。

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