【中小企業診断士の独学勉強法】一次試験編⑦(「中小企業経営・中小企業政策」)

診断士一次試験

今回は、中小企業診断士1次試験で多くの人が最後に勉強する科目である「中小企業経営・中小企業政策」の勉強法をご紹介します。

この科目は他の科目と比べて特殊です。

何が特殊かというと、直近の統計や中小企業施策について問われるため、伝統的な論点というものがなく過去問が意味をなさないという点です。

そのため、ここまで紹介してきたスピテキ⇒スピ問⇒過去問というオーソドックスな勉強法は通用せず少し勉強法に工夫が必要になります。

私も慣れ親しんだ勉強法が通用せず勉強中は試行錯誤しましたが、受かった後で振り返ると、最も勉強法に自信があり(正確には使った問題集が秀逸)、安定して点数が確保できる科目ではないかと思っています。現在、中小企業経営・中小企業政策の勉強方法で頭を悩ませている方がいらっしゃいましたら是非参考にしてみてください。

~2019年10月追記~

他ブログを拝見していると、令和元年度試験から大きく傾向が変わったとの報告がありましたので、実際に試験問題をみて検証してみました。その結果、確かに出題方法は変わっていましたが、以下で紹介する勉強法を行えば、令和元年度試験でも十分高得点は狙えると思いましたので是非参考にしていただければと思います。

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勉強期間

中小企業経営・中小企業政策の勉強期間
  • 基本勉強:H29年6月上旬~6月末(約3週間)
  • 復習:H29年7月~テストまで

この科目は、暗記3兄弟の中でも特に短期集中型で取組むべき究極の暗記科目になります。

6月下旬までこの科目には全く手つかずの状態でしたので正直焦りました。最悪、この科目は最低限の勉強で40点を確保し、他の科目の復習を中心にしようかと思ったほどです。

試験が終わった今言えることとしては、この勉強期間で十分です。とにかくテスト当日に暗記量マックスで臨むことが重要です。

使ったテキスト

この科目は過去問が不要ですので過去問完全マスターを唯一購入しない科目です。その代わりにTBC受験研究会の特訓問題集を用意します。この問題集こそがこの科目攻略のポイントになります。

  • スピードテキスト(TAC) 通称「スピテキ」
  • スピード問題集(TAC) 通称「スピ問」
  • 特訓問題集〈1〉中小企業経営・政策 中小企業白書(TBC受験研究会)
  • 特訓問題集〈2〉中小企業経営・政策 中小企業施策(TBC受験研究会)

one stepの勉強経過

スピテキで流れをざっと確認【1日目】

経営情報システム、経営法務でスピテキ読みから開始して無駄な時間を過ごしたため、嫌な予感はしていたものの、基本!ということで、この科目もスピテキをざっと読むことから始めました。

結果、やはりだめでした。

一次試験まで約1か月半前の勉強開始ということで焦っていたので初日に通しで一気読みしたものの何一つ頭に入りませんでした。

統計や施策がつらつらと書いているだけの社内文書を読んでいるみたいで面白くないです。経営情報システム、経営法務と同じパターンです。面白くなさ度でいうとこちらの方が上かもしれません。

暗記3兄弟(経営情報システム、経営法務、中小企業経営・中小企業政策)はスピテキ読みから入るのは無駄です。早く気づけよ!という感じですが…

経営情報システム、経営法務と同じ戦法を取るも…【2日目】

試験まで残り1か月半!スピテキを面白くないといってても埒があかないので、経営情報システム、経営法務と同様に基本問題を解いて無理やり頭に入れる戦法に切り替えました。

が、なんと失敗。。

この科目のスピ問は残念ながら使えないです。30問程度解いた後、「こんな問題本当に試験に出るの??」と感じ、自転車で本屋に行き過去問をチェックしたところ、あまりの出題傾向の違いにビックリ!というか、スピ問のような問題をいくら解いていても本番には対応できないということが判明しました。

この時点からスピ問は開いていません。よって、中小企業経営・中小企業政策のスピ問は買う必要なし!です。

困ったその時に救世主問題集と出会う【~3週目まで】

さて困りました。どうしようか、白書でも読んどく?とも考えましたが、時間が足りません。

そんなとき書店で出会ったのが、特訓問題集〈1〉中小企業経営・政策 中小企業白書(TBC受験研究会)、特訓問題集〈2〉中小企業経営・政策 中小企業施策(TBC受験研究会) です。

書店でパラパラとめくってみたところ、一見使い辛そうでとっつきにくい感じなので買うのに躊躇しました。しかし、この科目でスピ問と違いそうな問題集が他に見つかりませんでしたので、この問題集と心中することにしました。

この問題集は、問題文がところどころ歯抜けになっていて空欄を埋めていく学生時代に使った世界史ノートみたいな感じです(懐かしい。知らない人も多いかもしれませんが)。

この形式を聞いただけで使い辛そうなですが、さらにこの問題集は、空欄を埋めるにも回答欄が狭く、また専用の回答用紙も用意されておらず、使いにくいうえこのうえないです。

また、ここまでの一次試験の勉強では、財務・会計の「集中特訓 財務・会計 計算問題集(TAC)」を除くと4択から選択する形式の問題集しか使ってこなかったため、 白紙のノートに文中の空欄になっている単語をひたすら書いていく作業は非常に面倒でした。しかし、この問題集以外に頼ることができなかったため、文句をブーブー言いながら進めていきました。

ここまで文句しか言ってないですが、使いにくさはともかくこの問題集を仕上げることで完璧に試験に対応できました。これがこの科目を得点源に変える救世主問題集です。

約3週間で3周しましたが、何はともあれノートとペンを持って黙って3周してみてください。

ちなみに電車等のスキマ時間ではスピテキを読んでいました。

総仕上げ!救世主問題集を完璧に【H29年7月~テストまで】

さきほど紹介した特訓問題集完璧にするため、さらに2周しました。とにかく試験当日の記憶量をマックスで臨みたかったので、全7科目の最後に復習し、試験当日の朝まで問題集を読んでいました。

試験結果

結果「76点」

試験中、「これはできた!」という感触がありました。この感触があった科目は財務会計とこの科目だけでした。正直試験が終わった直後はもっと点数いったかな?と思ったくらいでした。

時間も30分は余り、途中退席しました。ちなみにこの科目は、1次試験の最終科目で皆疲れていたり、問題自体を知らないと全く解けなかったり(逆に知っているとそれを選ぶだけ)するので、受験生の半数くらいは途中退席していました。

中小企業経営・中小企業政策の勉強のコツ

この科目の勉強のコツはTBC受験研究会の問題集を完璧にすることに尽きるのですが、他の科目と比べて謎に包まれている科目(中小企業診断士独特の科目)のため独学受験生が悩みがちがポイントをいくつか紹介したいと思います。

中小企業経営・中小企業政策の勉強のコツ
  • TBC受験研究会の問題集を徹底的に回す
  • 最後に勉強する科目とする
  • 中小企業白書は読まなくてよい

TBC受験研究会の問題集を徹底的に回す

この科目は過去問にも頼れないですし、スピ問もいまいちです。そんな中で、仕方なく購入した問題集でしたが、結果的に大当たりの問題集でした。この問題集に出会えなかったらおそらく40点を切っていたのではと思います(あぁ恐ろしい)。

とにかく使い辛い…という点を除けば試験範囲全体を網羅しており、それを文章を穴埋め形式で頭に刷り込んでいく勉強ができ記憶に留めやすいため、短い期間で一気に仕上げるには最適な問題集です。

なお、使い辛いことを理由にしてノートに書かずに勉強するのはやめた方がよいです。読むだけだと似たような単語が多くでてきて本試験で混乱する可能性があるため、必ずペンを片手に書きながら覚えるようにしましょう(一部の天才除く)。

ちなみに、もし私が執筆者なら無料でネット上でダウンロードできる回答用紙をつけると思います。これだけで学習効率が段違いに向上し一気に人気テキストになりそうなのでTBCさん是非検討してみてください。

褒めまくりで恐縮ですが、本当におススメなので、特にこの科目の勉強方法に困っている方は是非購入を検討してみてください。

もう一回紹介しておきます!(しつこいですが)

最後に勉強する科目とする

この科目は、全7科目の中でも突出して「暗記」色が強いです。

理屈で覚えるなんて考えは捨てたほうが良いです。とにかく試験当日に暗記量マックスにすることだけを考えるようにしましょう。

例えばこの科目を勉強してから経済学を勉強して、財務・会計を勉強して、なんてことをしていると間違いなく忘れます。事実、2次試験受験前に中小企業の数っていくつだっけ?今の国の施策ってなにやっているんだっけ?といったことはきれいさっぱり忘れていました(これで2次試験は何の支障も出ません)。

一部の天才的な記憶力をお持ちの方は別ですが、自分で人並みの才能と思われる方は最後に勉強する科目かつ本試験2か月前以内から勉強することをおススメします。

中小企業白書は読まなくてよい

中小企業経営・中小企業政策の勉強 = 中小企業白書を読むこと 

上記のようにブログで書かれている人をたまに見かけますが、試験で点数を取るという観点では中小企業白書を読む必要は全く必要ないです。

試験間際の時間がない中でその暇があるなら、手を動かしてTBC受験研究会の問題集を解きましょう。管理人は、二次試験後にはじめて中小企業白書を読み、「ふむふむこういうことが中小企業では問題になっているのか。フムフム」と内容を確認しましたが、試験勉強中にこんなことを確認する必要はないです。

まとめ

中小企業経営・中小企業政策で点数を取るにはとにかくTBC受験研究会の問題集を繰り返し解くことです。1次試験日以降は全く覚えてなくて結構です。とにかくこの問題集を繰り返すことで当日に記憶量のピークを持ってくるようにしましょう。

ここで書いたポイントを押さえて勉強することで確実に得点源になってくれます。

この科目に手を付けるのは最後の追い込み時期だと思うので最後のひと踏ん張り頑張ってください。

今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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