【中小企業診断士の独学勉強法】二次口述試験編

診断士二次試験

今回は中小企業診断士試験の最終関門である二次口述試験についてです。

口述試験は合格率が99%の試験ということもあり、あまりブログ等で情報が掲載されていません。そのため、できるだけ詳しくその実態についてご紹介できればと思います。

スポンサーリンク

口述試験とはどんな試験か

試験案内で口述試験については、以下のように書かれています。

中小企業の診断及び助言に関する能力について、筆記試験の事例などをもとに、個人ごとに面接の方法により行います。1人当たりの試験時間は、約10分間です。

これしか書いていないんです。これだけではわからないので実体験を踏まえ、ちょっと補足していきます。

当日の服装

内容に入る前にまずは当日の服装について書きます。

私は、スーツにネクタイ、黒い靴で行きました。

特に指定されていないため、スーツでなくても合格するとは思いますが、私が見た限り、男性の受験生で会場にスーツ以外の人は一人だけでした(女性はスーツ以外にもオフィスカジュアル?のような方もいました)。

こんなところでチャレンジャーになっても仕方ないのですし、「やべー俺だけスーツじゃねー」とか思って試験以外のことに集中できなくなる方があほらしいのでスーツで行くことを推奨します。

ちなみに、面接官や面接会場まで案内してくれる人もスーツです。

従って、当日目立ちたい、人と違うことをしたいという人以外は、

スーツにネクタイ、黒い靴

が無難だと思います。

試験開始前

  • 受験票に書いてある時間までに必ず会場に到着するようにします。開始予定時刻に遅刻した場合、受験はできないみたいです(どんな理由でも無理のようです。過去の不合格者のほとんどがこのパターンかは謎ですが)。
  • 私の受験会場であった立教大学(池袋)の場合、所定の時間より前に着いても暖房が効いた大部屋で待機できるようになっていました。早めに会場入りして長時間待っているような人もいました。
  • 時間になると事務局の方から、これから面接する人の番号(20人程度の塊で)が言われますので大部屋から受付へ移動します。受付前後が試験終了までトイレに行く最後のチャンスになるので必ず済ませておきましょう。
  • 受付を終えると試験の直前待合室に移動します。
  • 直前待合室では受験生がぎゅうぎゅうに詰め込まれ、同じ面接部屋で受験する人3名が一つの机に並んで座ります(直前待合室では面接の直前3組分の人が待機していることになる)。
  • 一定時間経過すると一番左側の人が面接室に連れていかれ、その空席に左に順次詰めていきます。カウントダウンのように左に一席ずつずれていく感じです。緊張!
  • 自分の番になるとおじさん(おじいさん)が面接部屋まで案内してくれます。
  • おじさんは人によると思いますが、緊張を和らげてくれるよう話かけてくださいます。
  • 部屋の前まで行くと椅子が一つおいてあり、おじさんに頑張って!と励まされつつ、前の人が終わるまで待ちます。

面接開始

  • 部屋は普通の教室です。
  • ノックをして入ります。ノックしたら「はいどうぞ」と言われるのでそのあと入ります(常識ですね)。
  • まずは「よろしくお願いします」と言い、深く一礼します。
  • 面接官から「そちらの机にかばんを置いてください」と言われるので言われたとおりにします。
  • その後椅子の横に立って一礼します。「座ってください」と言われるまで座らないようにしましょう(これも常識ですね)。
  • 面接官の数は2名です。怖い顔をしたおじさん2名でした。怖い顔を意図的にしているようでした。
  • おじさん片方から試験内容を簡単に説明されます(内容は忘れましたが二次試験案内に書かれていることをそのまま言われた気がします)。
  • 最初に名前(フルネーム)と生年月日を聞かれます。なぜか和暦で聞かれます。
  • 1つの質問に対して、2分を目安として「中小企業診断士の立場に立って答えること」と注意事項を言われ質問タイムに突入します。
  • なお、試験案内には筆記試験の事例などをもと出題すると書いていますが、事例に関係ないことを出題されることはなかったです。
  • 面接官は手元になにか資料を持っているようでした(恐らく自分の試験結果)。
  • まずは一人の面接官から集中的に質問され、その後、次の面接官から質問という流れでした。ネット上の情報ではどちらか一方の面接官が意地悪でもう一方が優しいといったものを読んだことがありますが、私の時はどちらも普通(意地悪でない)でした。
  • 出題された事例は3事例分でした。模擬試験等では2事例と聞いていたのでちょっとびっくりしました。これもネット情報ですが、出来の悪い事例から出題と書かれているのをよく見ますが、3事例の中には個人的に自信があった事例2と事例4が含まれていたのでこの点はよくわからないです。
  • 質問は、二次筆記試験の各設問とは全く違うことを聞かれます。ある程度準備していないと無言になりそうな質問もきます。
  • 例えば、事例4では、流動性と収益性の観点からどのようにD社(事例4の会社)を評価しますか。評価方法とあわせて教えてくださいといった質問をされました。
  • 通常、質問というと、一つ目の質問を皮切りにその内容について掘り下げていくものですが、口述試験の質問は単発で区切られます。
  • 面接時間は約10分でした(試験案内のとおりです)。

面接終了

  • おじさん片方から「これで面接終了です」といわれたら立って再び一礼します。
  • ドアの前でもう一度お礼をしたら部屋を出ます。
  • あとは普通に帰宅します。案内してくれたおじさんにお礼を言おうかと思いましたが、他の人の案内をしており、できませんでした。

口述試験はこんな感じで行われます。

繰り返しますが、口述試験は99%の合格率です。99%は当日欠席(あるいは遅刻)も含めての数字です。そのため、何もしゃべらないということがない限り落ちることはないはずです。

しかし、落ちた場合のリスクが大きすぎます。私の場合でいうと、今回落ちると一次試験の合格資格が取り消しになってしまうため、万が一にもそれだけは避けたかったので口述試験を受けるにあたって十分な準備をしました。

また、全くのノー勉強で臨むと、面接は受験生が二次試験の与件文は知っている前提で行われるので無言になるリスクがゼロとはいえません

というわけで、以下では、私が行った事前準備について時系列で書いていきたいと思います。

口述試験の準備

ちなみに準備期間は、平成30年度のケースでいうと、二次筆記試験の合格発表日は12/7(金)で口述試験は12/16(日)になるので、実質一週間しかありません。

二次試験終了後~合格発表まで

何もしていません。再現答案すら作っていません。

~12/9(日)最初の週末まで

最初の週末までに行ったことは3つです。

  • どんな事例かを思い出すために、二次試験の与件文を3回ほど読みました。最初は問題まで解こうとも思いましたが、本番までそれほど時間がないこともあり、読むだけにしました。
  • AASが出している口述試験用Q&A問答集をネットで購入しダウンロードして、一度通しで読みました。
  • 12/12(水)のLEC、12/15(土)のTACの模擬試験を予約しました。

~12/12(水)のLEC模擬試験直前まで

Q&A問答集を水曜日夜の模擬試験前まで、ひたすら読み続けました。途中からは問答集に書いてあるQに対して独り言でぶつぶつと答えを言うという練習を行っていました。電車の中等を含めると一日3時間は勉強していたと思います。

~12/12(水)のLEC模擬試験

小部屋で2名の方に面接していただきました。問答集を勉強してきた効果か、ところどころ答えに窮しながらも、なんとか10分間乗り切りました。

手ごたえは正直イマイチ。面接官からは、「会話していないみたいだね、何かを思い出して読んでいるみたい」と言われてしまいました。

これはその通りで、この時点では、面接官と会話するというよりもQ&A問答集と与件文を思い出して話しているだけの状態でした。

最後に、この程度でも口述試験に受かるのかと面接官に質問したところ、「大丈夫、全然問題ないよ」とのお墨付きはいただきました。

最後に頑張っての励ましとともに、来年講師やらないか?と誘われましたが、固辞して校舎を後にしました。

面接は会話!

これがLEC模擬面接で一番学んだことでした。

~12/15(土)のTAC模擬試験直前まで

LECの模擬試験で一定のお墨付きをいただいき少し安心したものの、このままの状態では予想外な質問がきたときに頭が真っ白になり無言になるリスクがある!と感じました。

そのため、残り数日では、以下の3点を意識して勉強をすることにしました。

  • Q&A問答集の質問に対して、毎回少しだけアドリブを交えるようにして自分の言葉で独り言ぶつぶつ練習をするようにしました。
  • どんな状況でも話せるように、独り言ぶつぶつは2分間を測って、とにかくこの時間内は話し続ける練習をしました。
  • どの事例からどんなことを聞かれても対応できるように、与件文の一文一文くまなく分析をして、Q&A問答集でも問題文でも聞かれていない単語等についても事前に対策しておき何かは話せるようにしておきました。

TAC模擬試験~本番直前

TACの模擬試験は、少し大きめの部屋で3人の方に面接していただきました。面接官の構成は、40代くらいの方が2名、70代くらいの大御所の方が1名です。

面接時間は15分程度と長めでした。質問も、例えば「高度化資金とはどのようなものでどんな時に使うのか」といったやや難しめの知識問題も出題されました(与件文に高度化資金という文言があったのでそこを突いた質問ですね)。

前回の反省を踏まえ、相手と会話することを心掛けました。

面接が終わったあとの講評では、大御所の面接官からは「質問に対してつまることなく、ハキハキしていて非常に好感が持てた」と言っていただきました。やった!

最後に私からLECと同じ質問「この程度でも口述試験に受かりますか」と聞いたところ、「その調子でいけば落ちることはないから大丈夫、無言だけはやめてね」と、またまたお墨付きをいただきました。やっぱり無言はやばいみたいです。

模擬試験後本番直前までの勉強は、TACの模擬試験前までと同じ勉強を繰り返し行いました。

本番

内容は割愛しますが、どの質問にもつまることなく面接することができました。終わった瞬間大丈夫だろうという感触がありました。

口述試験まとめ

こんな感じで口述試験までの準備を行ってきたのですが、私の場合は、おそらく勉強しすぎだと思います。 正直、ここまで対策しなくても受かります。だって99%の合格率ですから。

でも99%の合格率って二次筆記試験を通った人の合格率なんですよね。口述試験では事例の内容は知っている前提で問題文以外の内容を知識問題を含めてバンバン質問されますので最低限の対策はした方がよいと思います。

というわけで、私が考える口述試験対策のポイントをまとめておきます。4点あります。

1.どこの予備校のものでもよいので口述試験のQ&A問題集を一つは買いましょう
2.再現答案はいらない
3.模擬試験は最低1回、できれば2回受けましょう
4.面接官の目を見て会話することを心がけましょう

どこの予備校のものでもよいので口述試験のQ&A問題集を一つは買いましょう

口述試験は、二次筆記試験の問題以外にも与件文の端々に書いてあることを色々と聞かれます。Q&A問題集は、事例1つにつき10~20問程度の質問が掲載されていますので様々な角度で与件文を捉えられます。したがって、「与件文さえ読んでおけば何にでもこたえられる。ふふん♫」という人以外は、どこの予備校のものでも良いので、1つは買って練習したほうが良いです。

ちなみに、2つ以上買うと消化不良になると思うので1つでいいと思います。ちなみに、値段はどこの予備校で買っても1,000円程度ととても安いので、懐にも優しいです。

再現答案はいらない

あれだけ「ふぞろい」にお世話になっておきながら怒られそうですが、再現答案は最後まで作りませんでした。口述試験に二次筆記試験の再現答案は必要ありません。

口述試験の面接官の手元には自分の答案があるかもしれませんがそんなもの無視で大丈夫です。

面接官を見る限り、口述試験の発言と筆記試験の記述の整合性を見ているなんていう高等技術は使っていないと思います。もしそんなことをしているのであれば99%という合格率になるわけがないですし。

ちなみに蛇足ですが、もし二次筆記試験に落ちた場合でも再現答案はいらないと思っています。落ちた答案よりも受かった答案を見て勉強したほうが100倍意味があるからです。試験で悩んだ時、あっ!あの答案でこんなことを書いていたなぁと思い出したときに不合格答案だと元も子もないですし。ましてやそれが自分の書いた答案だとその記載に引っ張られて同じ過ちを繰り返しかねないと思います。

模擬試験は最低1回、できれば2回受けましょう

模擬試験は受ければ受けるほど場慣れしていきます。私も紹介したとおり、1度目のLECでは会話というより暗記した文章の発表といった感じだったのが、2度目のTACでは自信をもって相手の目を見て話すことができました。

おそらく1度目の面接の状態が本番であっても合格はしたと思います。しかし、模擬試験を1度も受けずに本番に臨んでしまうと、極度の緊張&予想外の質問でまさかの「無言」になる恐れがあるので最低1度は模擬試験を受けておくことをおススメします。

面接官の目を見て会話することを心がけましょう

面接は人と人のやり取りなので相手の目をしっかり見て話すことを心掛けましょう。一つの質問は2分程度で答えてくださいとの条件は言われるもののわからなかったら「わかりません」、話す知識が不足して10秒分しか回答できなかったら「今後勉強します」と答えればよいと思います。必ず助け船を出してくれるはずです。

さいごに(二次試験全体を通して)

改めて自分が二次試験(筆記&口述)で勉強したことを書いてみると、若干の回り道はあれど結構「正攻法」の勉強だったのではないかと思います。

明確な答えのない二次試験ではありますが、当たり前のことを何回も何回も繰り返し行うことで、独学であっても必ず合格できる試験だと思います(聞くと結構、独学合格の方いますよ)。

中小企業診断士試験の勉強法については一通り書きました。私の記事を読んで合格を勝ち取る方が出ますことを心より祈念いたします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました