前回までご紹介したとおり、6月末までで事例1~4までひととおり対策しました。今回は、7月~8月末までの勉強法について紹介したいと思います。
~7月末:事例4の過去問9年分を解く
早速、事例4の過去問に…という前に、約3カ月ぶりの事例4ですので復習から行いました。
復習には、「意思決定会計講義ノート」を使いました。
一次試験から使っている「集中特訓 財務・会計 計算問題集(TAC)」や3月までに何度も繰り返した 「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ(同友館)」 を使ってもよかったのですが、以下の狙いから 「意思決定会計講義ノート」 を使いました。
- あえて難しい問題集で復習することでその後に行う過去問が簡単だと体に感じさせるため
- 「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ(同友館)」は過去問の抜粋版なのでこれを復習に使ってしまうと過去問を解いたときに初めての問題に出会った感を味わえないと思ったため
1つめのポイントは特に重要です。
難しい問題というのは問題を解くうえでのポイントが複数絡み合って出題されていることが多いため、否応なく頭の中での論点整理しながら解くことになります。そのあとで、 易しい~標準的な問題(=過去問)を解くと、解答に使う論点を効率よく頭の中から引き出すことができ、問題を解くスピードも上がることになります。
但し、基礎ができていない状態で難しい問題を解いても時間の無駄ですので、あらかじめ基礎から応用編までの集中対策をした後の復習でこの方法を用いるのがよいと思います。
復習を終えたら、過去問に取り掛かります。
過去問の取り組み方は基本的に事例1~3と同じです。但し、以下の点には注意が必要です。
- 事例1~3以上に時間を測って解くことを意識する
- 答え合わせに(あまり)「ふぞろい」は使えない
事例1~3以上に時間を測って解くことを意識する
事例4は事例1~3以上に時間との勝負になります。しかも、過去問を解いていると分かりますが、年々問題量が増えている(一問回答するのに要する時間が増加している??)ように感じられ、80分以内での解答が難しくなってきているように思われます。
そのため、過去問で何度も出されている論点はできるだけ早く正確に解くことが求められることから、事例4での過去問演習においては試験全体の80分を意識するということだけでなく、問題単位でどれだけ時間を要しているかも意識する必要があります。
私の場合は、過去問演習一回目は試験全体で80分を計測するのみとしましたが、演習二回目以降は問題ごとにどれだけ時間を要したかメモするようにしていました。
この訓練をしていた結果、ネット上の評判では、問題数が多く難しかったと言われているH30年度の事例4(本番の試験)においても、時間内ですべての問題を解き終えることができました。
答え合わせに(あまり)「ふぞろい」は使えない
事例1~3では「ふぞろい」は極めて有効な勉強ツールですが、こと事例4においてはイマイチです。
その理由は、計算過程について全く解説されていないからです。
なぜ解説しないのか不明ですが、「ふぞろい」には答えしか掲載されていないため、万一自分の答えと一致しない場合、計算方法は別途なにかで確認しなければなりません。
私の場合は、運よく事前に 「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ(同友館)」 と「意思決定会計講義ノート」を十分に行っていたため、それでもわからない不明点はネットで調べることで対応できましたが、事例1~3と同様に最初から「ふぞろい」を使った過去問演習から勉強していたら挫折していたのではないかと思っています。
独学の方で事例4をどうすればよいか途方に暮れている方は、過去問演習を行う前に 「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ(同友館)」 や「意思決定会計講義ノート」を使って、事例4の地力をつける勉強をすることをおススメします。
~8月末:事例1~3の過去問9年分を解きつつロジックノートを作成する
7月末までに事例4の過去問演習を行ったら、いよいよ10月の本試験に向けた仕上げフェーズに入っていきます。
8月は、いままで解いてきた過去問9年分(直近年度を除く10年分)をもう一度解きつつ、ロジックノートを作成しました。
ロジックノートとは??
まず、ロジックノートという言葉は、私が考えた完全な造語です(©️one step)。
ロジックノートは、私にとっての二次試験直前に見直すペーパーでしたので、一般的な呼び方で言う「ファイナルペーパー」のようなものでしょうか。
で、何なの??ということですが、簡単にいうと、過去問9年分の「ふぞろい」の正解キーワードやベスト答案を使って、短い文章で区切ってロジックを記載したノートです。
うーん。
文章で書いてみてもイマイチしっくりこないので実例(平成25年度事例1第1問)で書き方を説明します。
もし、これっていいんじゃね♫と思われた方は作成してみてください。
ロジックノートの書き方
A社のこれまでの成長を支えた、健康食品の通信販売事業を長期的に継続させていくために必要な施策として、新商品の企画や新規顧客を開拓していく以外に、どのような点に留意して事業を組み立てていく必要があるか80字以内で答えよ。
ロジックノートは以下の①~③の手順で書いていきます。
①要約した問題文を書く
はじめに、ノートを見ただけでどんな問題なのか理解できるように、問題文を要約した文章を書きます。
例)健康食品の通信販売事業を長期的に継続させていくための施策(新規以外)
②キーワードを繋げてロジックを作る
「ふぞろい」に掲載されている正解キーワードやベスト答案を参考に、自分なりに答案ロジックを作成していきます。キーワード等の短文を矢印を使ってつなぎ合わせていくことがポイントです。
例)オペレーター教育による顧客対応力の強化→既存顧客との関係性強化を図り→満足度を向上させ→固定客化する
例)強みの宣伝広告のノウハウを生かし→認知度向上→ブランド力強化→競合と差別化
③作成したロジックは印刷し、随時手書きで補足する
一度作ったロジックノートは紙で印刷しておきます。過去問は解くたびに気づきがあるので、自分の作成したロジックに不足がある場合や別の考え方がある場合は随時書き込んでいきます。
出来上がりのロジックノート(抜粋)
こうして出来上がった試験直前の平成25年度事例1第1問に関する部分のロジックノートです(汚い字である点はご勘弁を)。↓

こんな感じで過去9年分(最終的には10年分)ロジックノートを作っていきます。
まとめ
ややハードですが7月から8月にかけて、事例1~4の過去問9年分すべてのロジックノートを作成しました。
ちなみに、ロジックノートを作ることによる効果は、以下の3点です。
- キーワードを短文でつなぎ合わせる(ロジック構成する)ことにより、自分なりの解答記述パターンを整理できる
- 過去問全問題についてロジックノートを作ることによって、よく回答に用いられるキーワードを把握することができる
- 試験直前に過去10年分の解答内容を自分で考えた論理構成で一気に見返すことができる
最初はこれがファイナルノートになるとは思っても見ませんでしたが(そもそもそんなものを作る気さえなかったです)、いい感じの見直しノートが完成しました。
このやり方や効果にご賛同いただける方がいらっしゃったら是非参考にしてみてください。結構いいですよ。
というわけで、ここまでの作業を8月末までにやっていたため、もう試験までやることないなぁ、こりゃ二次試験大丈夫だなとタカをくくっていました。…そんな自信満々で模擬試験を受けることになるのですが、ここで思わぬ落とし穴にはまることになります。
それはまた次回に。
今回はここまでです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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