【中小企業診断士の独学勉強法】二次筆記試験編①(勉強基本戦略)

診断士二次試験

ここからは2次試験の勉強法を書いていきたいと思います。

私はH29年度の1次試験に受かった後、とある事情で2次試験を受けることができませんでした。

勉強を再開したのがH30年の年明けからでしたので、そこから約10か月間2次試験の勉強に費やしたことになります。この勉強期間は、1次試験から2次試験をストレートに合格する方と比べると約5倍であり、長いほうではないかと思われます。

2次試験は、記述式かつ試験の公式回答が発表されないという対策し辛い試験のため、この10か月間、勉強方法を日々模索しながら、毎日コツコツと勉強しました。

それが実ったのか、試験直前には与件文(2次試験の事例の問題文)を読むとポイントとなる箇所が浮き上がって見えるいわゆる開眼という状況までに至りました。この状態までに至れば2次試験の特徴から100%合格するとは言い切れませんが、ある程度問題が捻られていてもかなりの確率で合格できる水準に到達していると思います。

今から書く私の勉強法は、私のように準備期間に一定程度時間を取れるという方にはもちろん、ストレート合格を目指す方にも使えるエッセンスはあると思いますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

まずは、2次試験って何??という方もいらっしゃると思うので、2次試験の科目や出題領域から確認したいと思います。

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2次筆記試験の科目

2次試験の科目構成と1次試験科目との関係
  • 事例Ⅰ…組織・人事に関する事例(1次試験の関連科目「企業経営理論」)
  • 事例Ⅱ…マーケティング・流通に関する事例(1次試験の関連科目「企業経営理論)
  • 事例Ⅲ…生産・技術に関する事例(1次試験の関連科目「運営管理」)
  • 事例Ⅳ…財務・会計に関する事例(1次試験の関連科目「財務・会計」)

上記のとおり、1次試験7科目のうち、2次試験に直結するのは3科目のみです。時々どこかの事例に「経営情報システム」や「経営法務」の論点を聞く設問が紛れ込みますが、そのために1次試験のこれらの科目を復習するということは効率が悪いです。

従って、私のように1次試験終了後、2次試験の勉強を再開するまで期間が空いてしまって1次知識に不安があるという方は、2次試験に関連する3科目のみ復習することでよいと思います。

合格基準について

合格基準は協会のHPに以下のように記載されています。

第2次試験の合格基準は、筆記試験における総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満がなく、口述試験における評定が60%以上であることを基準とします。

中小企業診断協会HPより

一旦、口述試験の箇所は無視してください。口述試験は99%合格するので問題となるのは赤字の筆記試験の部分です。

筆記試験は、全部で4科目ですので、1科目100点満点だとすると240点以上取得しかつすべての科目で40点以上取ればよいことになります。これって1次試験と同じだよね!と思います。まぁ、そのとおりなのですが、最大の違いは…

2次試験は1次試験と異なり、問題の配点も答えも公表されていません。

これこそが2次筆記試験が世間的に難易度が高いとか雲をも掴むような試験だとかと言われる所以です。

というのも、試験直後に答え合わせをすることもできず、自分が受かったか落ちたかを判断する術がありません。このあたりが、知識も十分にあって、自分の勉強方法に自信があるのだけれども毎年のように落ち続けてしまう人が出てくる原因だと思います。

また、毎年合格率が20%前後で一定割合で推移していることからも受験生間の「相対評価」で点数が決まっていることは間違いないです。このあたりのことは他のブログで語り尽くされていますのでこれ以上の解説はしません。

なお、点数については、受験後に「情報開示請求」することで知ることはできますが、どこの問題でどのくらい点数が入っているかはわからないので気休め程度という感じでしょうか。

事例Ⅰ~Ⅳの違い

次に、2次筆記試験の4科目の特徴について解説します。

4科目で共通すること

  • 試験時間は80分
  • 問題はA4で1ページから4ページ程度(科目によりボリュームは異なる)の会社の事例解説(与件文)を読み、4~5問程度で構成する問題に回答する
  • 回答は記述式で60文字から200文字程度の文章で記載する(事例Ⅳの一部問題除く)

一見、問題が少なくて楽そうだなぁ!と思うのですが、実際に解いてみると時間が足りないです。というのも、80分という限られた時間で以下のプロセスをこなさなければならないからです。

  1. 与件文を読む
  2. 問題文を読む
  3. 考える
  4. 与件文を確認する
  5. 書く
  6. 書き間違えを直す
  7. 見直しする

どれも当たり前のことですが、これらを80分でこなすためにはそれ相応の訓練が必要です。特に受験勉強から遠ざかって久しい社会人受験生は、苦労します。書くなんて作業は普段パソコンしか使っていない人には辛いです。

事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳの違い

基本的な試験の流れは上記のとおり4科目で共通していますが、試験の性質は事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳで異なります。ざっくり、学校の教科に例えると以下のイメージです。

事例Ⅰ~Ⅲ:国語
事例Ⅳ:数学(算数??)+ちょっと国語

事例Ⅰ~Ⅲ:国語

事例Ⅰ~Ⅲは国語の試験に近いです。とはいえ、答えが公表されない国語なのでタチが悪いです。これにより、過去問演習をしても何と答え合わせをしていいのかわからない事態が生じます。事実、各予備校の模範解答を見てもバラツキがみられ、中にはこれ本当にあたってる??というものもあります。

プロですらこの状況ですから、受験生は暗中模索の状態で勉強することになり、結果、 勉強時間が点数に比例しにくいのではないかと思います。

中小企業診断士の2次試験に受かった人でどうして受かったのかわからないという人が多いのは、事例Ⅰ~Ⅲがあるためだと思います。

事例Ⅳ:数学(算数??)+ちょっと国語

事例Ⅳは最近は記述問題が増えてきたものの基本は計算問題です。計算問題は答えが一意に決まるので、予備校の過去問回答においても(基本的に)同じ回答になります。

ネット上にも過去問の回答プロセスが公開されるケースも多く、復習が容易です。

従って、事例Ⅳは、事例Ⅰ~Ⅲに比べ相対的に勉強時間が点数に比例しやすい科目といえます。

2次試験攻略のための基本戦略

ここまでの情報を踏まえて、2次筆記試験を攻略するための基本戦略は以下のとおりです。独学で受験をする方はこの戦略で臨めば大丈夫だと思います。事例毎の詳しい勉強方法は次回以降紹介していきたいと思います。

2次筆記試験攻略のための基本戦略
  • 勉強時間が点数に直結しやすい事例Ⅳの強化を優先的に行う。
  • 事例Ⅳの勉強に目途が付いた時点で事例Ⅰ~Ⅲに取り組む。
  • 事例Ⅰ~Ⅲはできるだけ多くの過去問を解き、合格した答案の真似をすることで合格レベルと思われる答案を自分で書けるようにする。

(参考)one stepの学習スケジュールと最初にやるべきこと

最後に私の学習スケジュールと最初にやるべきことを少しご紹介して今回の記事を終わりたいと思います。約1年かけて独学で合格を目指す方はこのスケジュール通りに進めても良いのではないかと思います。

(参考)one stepのスケジュール
  • 年明け~1月2週目:H28年の2次試験の事例Ⅰ~Ⅳまで解く
  • ~3月末:事例Ⅳを問題集を使い集中的に対策する
  • ~6月末:事例Ⅰ~Ⅲの過去問を9年分を解く
  • ~7月末:事例Ⅳの過去問9年分を解く
  • ~8月末:事例Ⅰ~Ⅲの過去問9年分を解きつつロジックノートを作成する
  • 9月頭:模擬試験を受ける
  • ~9月3週目:回せるところまで過去問10年分を周回(最低一日2事例解く+復習)
  • ~10月1週目まで:模擬試験の復習+残しておいた直近年度の過去問を解き復習する
  • ~本試験まで:回せるところまで過去問10年分を周回(最低一日2事例解く+復習)

なにはともあれ最初にやるべきこと

まずは一度本試験を解いてみる

ストレート合格を目指す人も予備校に通う人も、勉強開始するにあたって直近の2次筆記試験問題を解く作業はしておいた方が良いと思います。だいたいの難易度はつかめると思います。

なお、問題を解く場合は、必ず予備校のHPから問題用紙と解答用紙をダウンロードして印刷して時間を測って解きましょう(おススメのダウンロード元はコチラです)。

解けなくても大丈夫

ちなみに私は全く解けませんでした。というか書けませんでした。。。特に事例Ⅰ~Ⅲ。事例Ⅳについてもなんとなくわかるのですが間違っている。。

模範解答については、通っている予備校のものや市販のテキストなんでもよいので一度答え合わせをしてみてください(独学の人は「中小企業診断士2次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」を使うと直前の筆記試験の問題と答えが書いてあるので便利です)。

この時点で解けなく(書けなく)ても大丈夫です。それよりも10月本試験でこのレベルを解かなければいけないということを最初に認識することが重要です。

今回はここまでにします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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